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Risk 損失

【1】「先生とお話できない」

子どもの話を聴く余裕がない

 〔グラフ8〕によると、「子どもの話や訴えを十分に聴く余裕がない」教員が6割となっています。

 忙しさが、教員から子どもたちの話を聴く余裕を奪っています。
 「大量の業務に追われ、子どもの話を十分に聴けていない」
 このような実感をもつ教員が、少なくありません。

WellLink『文部科学省委託・新教育システム開発プログラム 調査結果を紹介。「教師の“うつ”一般企業の3倍」教員のメンタルヘルスの現状』(2008)より引用
は本間による。

 「先生が忙しそうで、話がしにくい」という、子ども側から見た統計があるのかもしれません。しかし、子どもは環境に順応するので、「話せなくて当たり前」と思ってしまえば、そういうものだと受け入れもします。
 問題は、教員が「子どもの話を十分に聴けない」という多忙な状況です。少なくない教員が、「多忙さが解消されれば、もっと子どもの話を聴けるし、聴きたいし、聴く必要がある」と思っているのです。


教育において、教員が「やった方がいいこと」は、たくさんあります。

〇子どもの話を聴く
〇しっかり準備して授業等のクオリティを上げる

しかし、現状は業務過多で、それが困難です。

これは、教育活動の低空飛行を意味します。

教育の受益者(子ども・保護者)にとって、不利益です。

 「やった方がいいこと」のために、業務のスリム化が必要です。でなければ、十分に手が回らない状況を黙認することになります。教員の多忙さが教育の受益者にとっての不利益となる点については、行政も認識しています。 例えば、文教科学委員会調査室の関喜比古氏は、以下の指摘をしています。

「(引用者略)こうした厳しい状況を知るにつけ、教員の部活動での指導のみならず、日常の教科への取組においても支障が出るのではないかと懸念している。」

関喜比古「問われている部活動の在り方~新学習指導要領における部活動の位置付け~」(2009)より引用
太字は本間による

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【2】「先生は、素人?」

教員なら、誰でも十分に部活動を指導できるの?

 〔グラフ9〕は、顧問に「担当の運動部活動を過去に経験したことがあるか」を問うた結果です。これによると、およそ5割が「経験なし」で顧問をしています。

日本体育協会「学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」(2014)を参照して本間が作成


指導・・・できる
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【3】部活動では「指導力不足教員」が7割!

 〔グラフ10〕によると、部活動で「専門的指導力の不足」を自覚している教員が、およそ7割います。部活動は「指導力不足教員」を量産してしまうシステムであると言えるでしょう。

日本体育協会「学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」(2014)を参照して本間が作成

 30人の運動部顧問がいたとすると、そのうち約20人が指導力不足を自覚しています。競技素人の顧問でも、授業では専門性を生かし、自信をもって子どもたちの前に立つことができます。しかし、6時間目が終わり、運動部活動となると、とたんに指導できなくなってしまいます。運動部に限らず、高い専門性が求められる部活動では、同様の事態が起こっています。


関連記事(準備中) 2015.3.26

指導力不足を自覚することで、誰もが指導力を向上させられる?
      →Cost【2】スポーツ指導力を身に着ける困難
教員の採用方法が抱える問題
      →Cost【3】採用基準を変えたら・・・?


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【4】指導力不足教員によるケガのリスク

素人顧問は、ケガの予防方法を知らない

 〔グラフ11〕によれば、「スポーツ外傷・障害を予防するための知識をほとんど又は全く知らない運動部顧問」がおよそ3割います。
さらに、〔グラフ12〕によると、「1週間以上練習を休む外傷・障害を負った生徒」は1~3割となっています。

文部科学省「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書(中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査研究協力者会議)」(1997) より 本間が作成
※同報告書には調査対象者の内訳が記載されていないものの、「全国の中学校100校,高等学校100校の生徒や保護者,教員など計約5万4千人を対象に実施した」とのことである。

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【5】「指導力不足教員」が維持される部活動

「部活の指導力を身につける!」を困難にしているのは・・・

 指導力不足を実感している教員が7割いる一方で、「スポーツ指導者資格」をもっている教員は1~2割です。〔グラフ13〕

日本体育協会「学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」(2014)を参照して本間が作成

 スポーツ指導者資格を取得しても、指導力や障害・外傷予防の知識を十分に身に着けられるとは限りません。しかしながら、指導力不足の顧問(7割)や知識不足の教員(3割)にとって、指導力向上の1つの手段とはなります。
 教員たちは、こうした資格を活用して、指導力を高める気はないのでしょうか?

 〔グラフ14〕は、「資格を取得できない理由」を表しています。最も多いのは、資格の「取得方法がわからない」で、5~6割となっています。十分に認知されていないことがわかります。
 次に続くのが、「業務」や「部活指導」が「忙しくて講習会に参加できない」となっています。

 資格の取得方法が十分に認知されたとしても、多忙によって、取得は困難となるでしょう。部活の指導力を高めようにも、業務や部活指導が忙しくて講習会に参加できない。こうしたおかしな矛盾が起こってしまうのは、学校現場が多忙を極めているからと言えます。
 資格取得以外にも、指導力向上の方法はあるはずです。しかし、あまりにも多忙な状況が、教員による自発的な指導力向上を妨げています。いずれにせよ、多忙な状況が解消・軽減されない限り、指導力の向上に取り掛かることさえ困難です。

日本体育協会「学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」(2014)を参照して本間が作成

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【6】急な廃部にショック!

廃部は、子ども・保護者の大きな悲しみ
~学校選択のウリにしないで!

 〔表1〕は、東京都(平成18年度)における部活動の「創設部数・休廃部数」を示しています。約700の部活動が、一方で創設され、もう一方では休廃部となっています。創設・休廃部ともに、「学校事由」が大部分を占めています。

東京都教育委員会「部活動顧問ハンドブック――児童・生徒の充実した学校生活の実現に向けて」(2007)より

 悲惨なのは、有能な顧問のもとで練習に明け暮れてきたのに、いざ3年生に進級する段階で顧問が異動してしまった場合です。大変な苦労と膨大な時間を投資しながら、いざ実を結ぶ段階になって指導者が不在となってしまう。この事実が、子ども・保護者に与えるダメージは計り知れません。しかも、このようなことは、現状の顧問制度のもとでは、どの部でも起こりえます。むしろ、起こるべくして、起こっています。

 「こんなことになるなら、部活動を学校選択のウリにしないでよ!

 子ども・保護者の悲痛な叫びです。


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